09世界選手権のジャッジについて その10
今回(09世界選手権)の「不正ジャッジ騒ぎ」、元々は、キムヨナが207.71点もの高得点を出してしまったことに対する多くの真央ファンの悲鳴から始まったのではないか。
今までの浅田真央の最高得点(「世界新記録」)199.52点を大きく上回るだけではなく日本選手権での205.33点も大きく上回る得点。今回キムヨナに負けただけではなく、「たまに負けることはあっても真の実力ナンバーワンは「世界新記録」を持っている真央ちゃん」という神話も覆され、今シーズンの(09WCまでの)シーズンベストが191.13点に留まった真央より遙か高みに登ってしまったヨナ・・・。今回は負けても、ノーミスの演技をすれば真央が勝てるはずなのに、この点差では、ノーミスでも真央はもう勝てないのではないか・・・。そんな馬鹿な・・・。
新採点法になってから女子初めての国際大会200点越え。それが201点前後ならまだまだ真央も逆転可能、ということで、もっと冷静な反応が多かっただろう。しかし207.71点という[とんでもない点」。悪児も真央ファンとして、「そんな馬鹿な・・・」という気持ちはよく理解できる。しかし、207.71点という点は、確かにすばらしい点だが、そんなに「とんでもない点」でもないし「真央よりも遙か高みに登ってしまった点」でもない。
世界選手権前に、「金メダルの行方_1」で指摘した通り、キムヨナ&浅田真央のバーチャル・ベストは、08WC-09FC間だと、
212.970 75.230 137.740 Yu-Na KIM
212.244 74.610 137.634 Mao ASADA
となって、ヨナも真央も(というか、ヨナと真央の2人だけだが)「ノーミス」の演技をすれば(もちろんそれが途轍もなく難しいことも指摘したが)、212点越えも可能なのである(しかも、それは、世界選手権などの多人数の参加する大会でPCSが高めに出ることは考慮外だったので、それも含めればもっと高得点も視野に入るし、まだ算出していないが08-09シーズンの全国際大会を対象とすればさらに高得点になるだろう)。
またそれは、言い換えれば、今回は、見事にほぼノーミスの演技を演じきったキムヨナだが、今後も207点越えを連発するのは、やはり非常に困難であろう、ということでもある。実際に国別対抗で、真央にも、大きなミスが2つもあったのに(3Aと3FのDG )201.87点という得点が出て、それに基礎点の減点分をプラスすれば210点越えになることが証明されたので、愁眉を開いた方も多いと思うが、210点という得点は、ヨナと同時に真央にも開かれた点であると同時に、やはり、コンスタントに出すのはきわめて難しい点なのである。
要するに、ヨナ&真央の実力はきわめて拮抗していて、今回は先にヨナがノーミスに近い(ノーミスではない)演技を行って207.71という高得点を出したが、真央もノーミスの(に近い)演技をすれば、十分その得点を上回る力があるのであって、「ジャッジの不正疑惑」などといった「悲鳴」を上げるまでもなく、来シーズン浅田真央は実力で、210点越えを実現してくれる筈なのだ。浅田真央のファンなら、それを信じて、熱く、しかし同時に冷静に((^^)ゞ)応援していきたいものだ。(了)
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