09世界選手権のジャッジについて その7
(国別対抗戦があったのと、ちょっと忙しかったので中断していましたが、再開します)
09世界選手権と08世界選手権のFSに進んだ24選手(08は棄権の安藤美姫を除く23名)のショートのTESとPCSを比べてみた。
まず、全選手の合計、平均。そして、TESに対するPCSの割合。
TES PCS 平均 TES PCS PCS/TES
08SP 679.98 529.99 29.56 23.04 0.779
09SP 752.56 590.80 31.36 24.62 0.785
TESに対するPCSの割合は、09が、0.6%増。増加は増加だけど、数字的には、ほとんど変わらない、といって良いだろう。SPに関する限り、09世界選手権のPCSが08世界選手権のPCSより高く出た、とはいえないだろう。
得点そのものは、どちらも、09の方が08より高い。TESは、+1.792で、PCSは、+1.574。率にすると、TESが+6.1%で、PCSは+6.8%。これは明らかにどちらも上がっていてTESとPCSの上がり方にはほとんど差がない。ということは、選手の演技の質が上がって得点が上がったと考えるのが自然で、PCSが操作された形跡は全く見えない。
グランプリシリーズに比べると高く出た09WCのPCSだが、08WCとは、ほとんど同じで高くも低くもない。やはり、大人数&相対評価で、WCの点がGPSより上がってしまう、と考えるのが自然だろう。国内選手権の点が高めに出るのも、ジャッジが甘くなることもあるだろうが、やはり大人数でレベルに差のある選手が参加する大会だから、という面もありそうだ。
では、フリーは、どうだろうか。
TES PCS 平均 TES PCS PCS/TES
08FS 1110.89 1082.33 48.30 47.06 0.974
09FS 1155.81 1183.84 48.16 49.33 1.024
こちらは・・・
09のTESが08に対して微減(-0.141、-0.3%)しているのに、PCSははっきりと増えている(+2.269、+4.8%)。結果、TESに対するPCSの割合は、09が、5.0%も増え、08ではTESより低かったPCSが、09ではTESを上回っている。やはり、09WCは、08WCに比べても、フリーでのPCSが「異常に」高くなったということか・・・。(続く)
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