ダブルアクセル3回 その6(フィギュアスケートプロトコル分析)
(6[4] 2 3) Cynthia PHANEUF
3Lz 3Lo 3Lo 3S 3T 3T 2A 2A 2Lo 2T 2T(3T+2A+SEQ)
(6[4] 2 3) Miki ANDO
3Lz 3Lz 3F 3S 3S 3T 2A 2A 2Lo 2Lo 2Lo(3S+2A+SEQ)
3回転は4種6回。シークエンスを入れて2回転を2Aにして難度を上げています。複数になった2Aの1つを3回転にしてさらに難度を上げることはしていません。美姫ちゃんもヨナちゃん同様3Loを外して2Aにしていますが、3Loを苦手にしているヨナちゃんに対して、3Loは得意なはずの美姫ちゃんが3Loを外しているのはちょっとびっくりです。
(7[5] 2 2) Alena LEONOVA
3Lz 3F 3F 3Lo 3S 3T 3T 2A 2A 2Lo 2T(3T+3T 3F+2A+SEQ)
3回転は7回フルに使用。さらに3T+3Tと3F+2A+SEQで2回転を2つに減らして難易度を上げ、しかも3つになった2Aの1つを3回転にしてさらに難度を上げています。アクセル以外の3回転5種類もすべて揃っています。
(7[5] 2 2) Akiko SUZUKI
3Lz 3F 3F 3Lo 3Lo 3S 3T 2A 2A 2Lo 2T(3T+2A+SEQ 3Lo+2A+SEQ)
(7[5] 2 2) Joannie ROCHETTE
3Lz 3Lz 3F 3Lo 3S 3S 3T 2A 2A 2Lo 2T(3T+3S+SEQ 2A+2A+SEQ)
この2人は、得意とする(2回跳ぶ)ジャンプの種類とシークエンスの構成こそ違え、トータルとしては非常によく似たジャンプ構成になっています。シークエンスを2つ入れることで2回転2つをダブルアクセルに換えて難易度を上げ、さらに3つになったダブルアクセルの1つを3回転にしてさらに難度を上げています。もちろん、アクセル以外の3回転5種類もすべて揃っています。
残るは、ダブルアクセル1回だけの3選手。
(6[4] 1 4) Sarah MEIER
3Lz 3Lz 3F 3Lo 3S 3S 2A 2Lo 2T 2T 2T
3Aおよびセカンド3回転なしの標準ジャンプ構成とほとんど同じ(3F2回を3S2回にしているだけ)ジャンプ構成。一番簡単な3Tを除いた3A以外の3回転は4種6回と最大限に入れて2Aは必須の1回だけですが、2回転は4回そのまま残っています。2A+3T や3T+3T、あるいはシークエンスを入れて2回転を減らす工夫をしている他の選手たちに較べると、ちょっとジャンプの構成に工夫が足りないという印象は否めないですね。
(7[5] 1 3) Rachael FLATT
3Lz 3Lz 3F 3F 3Lo 3S 3T 2A 2Lo 2T 2T(3F+3T)
これは素晴らしいジャンプ構成ですね。標準のジャンプ構成に3F+3Tを入れて、3回転を3A抜き最大の5種7回入れ、2回転を3回に減らしています。もう1つジャンプシークエンスを入れてさらに難度を高めることもできますが、それよりもGOEを取れるようにする方が高得点につながるでしょう。来季が楽しみです。
(6[4] 1 4) Mao ASADA
3A 3A 3F 3F 3Lo 3T 2A 2Lo 2Lo 2Lo 2T
とにかく、他の女子選手とは、違います。3A2回、素晴らしいのひと言です。ただ、そのために、他のジャンプが犠牲になっていることも事実ですね。3Aを入れたことで、6種8回まで跳べる3回転ですが、4種6回しか入っていません。3Aが入っているので必須ではなくなった2Aも跳んでいます。他のほとんどの選手が取り組んでいるセカンドの3回転もジャンプシークエンスも入れていないので2回転は4つのままです。もちろん、3A2つがそれらを補って価値があることは基礎点が最高であることが示しています。ただ、もっともっと改良の余地があるジャンプ構成であることも事実ですね。来季のジャンプ構成が楽しみです。
(なお、分析の対象は実際の演技ではなく、事前のエレメンツシートで、実際に跳んだジャンプと異なる場合があります。)
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2009フィギュアスケート世界選手権ジャッジについて 目次は → こちら
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