再臨界は起きない・・・
今日のNHKの報道で、だいぶ、福島原発の状況が理解できてきた。
まず、現在核分裂は完全に「とまって」いる。
地震に対して、第一段階の運転(核分裂)を停める、という作業は完全に実行された。
(チェルノブイリでは、これが停められずに大惨事になった)
その後、「冷やす」という作業が実行され始めたが、そのシステムが津波によって破壊されてしまった。そこで、まず第1~第3の原子炉圧力容器内の温度が上がり冷却用水が蒸発して放射線を出し、水素を発生させて水素爆発を起こした。
さらに、プール内に貯蔵されていた使用済み核燃料も少しずつ発熱しており水の循環ができなくなったため徐々に温度が上がっていたのがついに沸騰し水が失われ水素が発生し爆発と火災が発生し、放射線を出し始めた。
ただ、どちらも、このまま放置しても、再臨界に達して核分裂が生じるということはないようだ。もちろん高レベルの放射線を出し極めて危険ではあるのだが、チェルノブイリ並の大惨事になるということではないらしい。
とにかく、今やるべきことは、どちらも冷やすこと。そのためにいろいろな方法を試みているのだが、高レベルの放射線に邪魔されて作業が捗らないようだ。ただ、一刻を争うという状況ではないので、作業員の安全を確保しながら効果的な方法を模索し試している段階のようだ。 ヘリが試され、警察の放水車が試されるらしい。
プールの使用済み燃料についてはプールに水を満たしてしまえば、放射線の発生も抑えられ安定させられるようだ。
今まで起こっている爆発や火災は、再臨界とは全く関係がない。どうも朝日新聞などの報道は「過剰反応」のようだ。もちろん避難を余儀なくされた周辺住民のためにも早期の安全確保を望みたいが、「手をこまねいている」という状態ではないようだ。ちょっと長期戦になりそうだが、冷静に見守っていきたい。
むしろ問題なのは、避難民や、「屋内待避」という形で「閉じ込め」られている周辺住民への支援だ。官房長官が「風評」に惑わされないで欲しい、というメッセージを出していたが、そんな民間頼りの無責任発言の前に国の力で支援するべきだ。原発は国策で、周辺住民はその被害者だ。また、福島原発の電力を享受していた東京都をはじめとする首都圏の自治体も即座に周辺住民への支援を行うべきだ。周辺住民の受け入れ、そして屋内待避地域への燃料・食料・暖房機器の援助を行うべきだ。「天罰」を受けるべきのはどっかの知事をはじめとする政治家や実業家であって原発の周辺住民はもちろん、今回被害を受けた一般住民ではない。
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