4回転の価値(男子FSトップ4プロトコル分析2)
4Tの基礎点は、9.8
3Tの基礎点は、4.0
ということは、4回転の価値は、+5.8
なのだろうか?
3回転で一番基礎点が高いのは(3Aは3回転半だから除外して)3Lzの6.0
ということは、4回転(というより4T)の価値は、+3.8?
5.8なら、3Fより高いけど、3.8なら、3Tより低い。
大分、差がある。
そして、4Tを1回ずつ入れた高橋とプルのジャンプの予定基礎点は、65.0と60.83
4回転のないライサのジャンプの予定基礎点は、58.23
4Tを2つ入れたランビエルの予定基礎点は、59.68
高橋は、対ライサ、+6.77
プルは、対ライサ、+2.60
そしてランビは、対ライサ、たったの+1.45
これは一体・・・
まず、4回転(というより4T)の価値。これは、+5.8でも+3.8でもなく、本来、+6.3になる。
なぜか?
男子のFSでのジャンプの数は8。コンビネーションは3つまで。3連続は1つまで。従って、ジャンプは12回までになる。ところで、3回転以上のジャンプには、ザヤックルールというものがあり、同じ種類のジャンプは2度までしか跳べず、2度跳べるのも2種類まで。従って、アクセルを含む6種類の3回転は、最高8回までしか跳べない。従って、3回転までしか跳ばない選手の場合、最高の基礎点を出すには、3A2回、3Lz2回、3F、3Lo、3S、3Tを1回ずつ、そしてそのうち3Tをコンビネーションのセカンドにして、2Aを1回、あとのコンビネーションのセカンド以下は、2Tまたは2Loにするのがスタンダードだろう。3Loもセカンドにすれば、2Tを2Aに替えてさらに基礎点を伸ばせるが、現在3Loをセカンドにする選手は男子ではいないようだ。
そしてライサのプログラムは、正にこのケース(セカンド以下の2回転は、2T2つに2Lo)。 では、4Tを入れるとすると・・・。4Tは3Tと別種のジャンプとされるので、3Tと替える必要はない。2Aと替えるのが一番高く、その場合、+6.3になるのだ。
実際、高橋はそのケースで、2Aの代わりに4Tを入れている。
一方、プルは・・・。4Tの代わりに消えているのは、2Aではなく、3F。これでは、4Tの価値は、+4.3しかない。
ランビの場合は、4Tはどちらも3Aの代わりで、それぞれ+1.6で、2つで、やっと+3.2しかない。
さらに・・・
FSでは、もうひとつ、ジャンプの基礎点を伸ばす手段がある。プログラムの後半のジャンプは基礎点が10%増しになる、これを利用するのだ。つまり、プログラム後半に基礎点の高いジャンプを持っていけば、それだけ基礎点が増えるのだ(もちろんリスクも増える)。
高橋は、3Aも含めて5つのジャンプを後半に持ってきて、+3.7
ライサは、やはり3Aも含めて5つのジャンプを後半に持ってきて、+3.23
プルは、前半に高難度ジャンプを集め、後半は3つのジャンプなので、+1.53
ランビも前半5つ(もちろん4Tはどちらも前半)、後半3つで、+1.38
以上、数字がすべてを語ってくれていると思うが、ちょっとだけ、蛇足を。(^^)ゞ
悪児は、真央ちゃんのファンで、当然、4回転挑戦支持だ。しかし、この分析結果を見ると、4回転挑戦をその本来の価値以上に利用していたのは、高橋だけ。プルは、4回転には挑戦するものの、他の部分で、たっぷりと自主DG (^^;)(^^;)して、安全策を採っている。はたして、チャレンジと言えるのか? 4回転だけ強調するのは???(^^;)(^^;)
ランビは3Aができないので、「苦し紛れ」っぽい4回転2回。
で、高橋は4回転回転不足の上転倒なので銅メダルは当然、というか、ランビの失敗で、その意味では、運に恵まれての銅メダル。
プルは、4回転をプログラムでほぼ帳消しにしてさらにミスをしたので、それでもトップと僅差はさすが。ただ、4回転○○の発言は、自分の自主DGを考えると、やはり負け惜しみでしかないか・・・(^^;)(^^;)。
さらに蛇足。
女子の場合・・・・
真央ちゃんは、ランビと同じ状況???・・・
ヨナちゃんは、・・・ ライサじゃない。じゃ、だれ???・・・(^^;)(^^;)
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