バンクーバーオリンピック 男子FS
上位4選手のプロトコル分析
Evan Evgeni Daisuke Stephane
257.67 256.36 247.23 246.72 総得点
-1.31 -10.44 -10.95 Evanとの差
74.33 76.93 81.60 76.38 予定基礎点
74.93 75.03 70.28 75.91 獲得基礎点
0.60 -1.90 -11.32 -0.47 DG
9.64 7.68 3.20 2.58 GOE
84.57 82.71 73.48 78.49 FSのTES
58.23 60.83 65.00 59.68 J予定基礎点
0.00 -1.50 -10.42 -0.07 JDG
6.20 4.80 4.80 2.20 J+GOE
-0.96 -0.36 -5.80 -5.92 J-GOE
63.47 63.77 53.58 55.89 J得点
16.10 16.10 16.60 16.70 S予定基礎点
0.60 -0.40 -0.90 -0.40 SDG
4.40 3.24 4.20 6.30 S+GOE
0.00 0.00 0.00 0.00 S-GOE
21.10 18.94 19.90 22.60 S得点
予定基礎点:エレメンツシートの基礎点合計(スピンはレベル4、ステップはレベル3で算出)
獲得基礎点:実際に獲得した基礎点
DG:獲得基礎点-予定基礎点
J:ジャンプ要素
S:スピン&ステップ要素
まず気付くのは、ライサチェックのDG0.60。ステップが1つレベル4になって、+0.6、他は予定通りで、言い換えれば、ノーミス。逆に高橋は、DGが、-11.32。プルシェンコもDG-1.90で、高橋もプルシェンコもここが0.00なら、逆転できた。
さらに、高橋もプルもノーミスではなくても、ライサを逆転できたのだ。プルは最初の2連続を予定通り3連続にしておけば、GOEはそのままとして、基礎点1.5(2Lo)がプラスになるので、逆転だし、高橋の場合も、4Tを成功していれば、GOE0.00だとしても、+9.8(実際の点は、基礎点4.00-GOE3.00-転倒1.00で、0点)で、あと2連続になってしまった3連続を予定通り飛んでいれば、GOEそのままで、+1.43で逆転できていた。
ライサは、ジャンプで2つ小さなミスをして-GOEを貰っているがスピンステップはパーフェクト。それに対してプルも高橋も、ステップスピンで結構取りこぼしている。それにもかかわらず、その取りこぼしはそのままでも、ジャンプの失敗さえなければ、2人ともライサの上に来られたのだ。
4回転を跳ばないライサは自らがパーフェクトに近い演技をしても、ライバルがノーミスなら逆転されてしまう、それを承知でこのプログラムを選び、今回は相手が失敗したので、金を獲得できた、ということだ。全米で4回転を失敗し、4回転を回避した。その判断は正解だったが、運がなければ勝てなかったのも事実。また、成功していれば勝てたプルや高橋が失敗したのも事実。これが勝負の面白さだろう。
また、高橋が4Tを回避したら、という意見があるが、プログラムをよく見れば分かるとおり、4Tの代わりに跳べるジャンプは、3A2回、3Lz2回、3F、3Lo、3S、3Tすべて跳んでいるので、2Aしかないのだ。それでは、仮に+2.00のGOEが取れたとしても、5.50にしかならない。他の要素をライサ同様ほぼパーフェクトに演じない限り、勝てなかったのだ。4回転挑戦は全く当然の選択だ。
もうひとつ、気付いたこと。プルの予定基礎点が、思っていたより遥に低い。高橋より4.67低く、ライサより2.60高いだけだ。理由は簡単。ジャンプ(特に高難度ジャンプ)を前半に集めたプログラム構成。やはり、後半のスタミナに自信がなかったのだろう。プル自身もしっかり安全策をとっているのだ。(^^)(^^)
ランビエルはSPでの出遅れがすべて。FSがパーフェクトでもライサとプルには勝てなかった。
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