推算予定基礎点
プロトコルからは、実際に獲得した基礎点(獲得基礎点)は読み取れるけれど、予定していた基礎点(予定基礎点)は読み取れない。事前のエレメンツシートも、実は当てにならないことが多い。従って、予定基礎点は個々の選手毎にプロトコルやエレメンツシート、報道などを元に推測するしかないが、その作業には非常に時間と労力がかかる。そこで、とりあえず、簡単に予定基礎点に近い数値を自動的に算出する手順を作成しそれによって算出した予定基礎点と思われる数値を「推算予定基礎点」とする。
☆ 算出手順は次の通り。
1.ジャンプ以外については、ステップシークエンス以外はすべてレベル4を予定し、ステップシークエンスはレベル3を予定しているものとする。
2.ジャンプについては、アクセル以外の単発ジャンプ、およびコンビネーションのファーストジャンプは3回転を予定しているものとし、アクセルは原則として2回転を予定しているものとする。
3.アクセルでプロトコルで3Aと表記されているものは、ダウングレードであれ、予定は3Aとする。4回転ジャンプも同様に扱う。
4.コンビネーションのセカンドジャンプ以降については、原則2回転を予定しているものとする。
5.コンビネーションのセカンドジャンプでプロトコル上3Tなど、3回転と表記されているものでは、ダウングレードであれ、3回転を予定していたものとする。
6.SPで+COMBO、FSで単発ジャンプがシークエンス扱いとなって+SEQと表記されている場合は、+2Tの予定とする。
7.その結果の予定エレメンツがザヤックルールなどに抵触するかどうかのチェックは原則行わない。
☆ 注記
その結果、上位選手についてはかなり本来の予定基礎点に近い数字を算出できるが、下位選手などでは、実際の予定とかけ離れた数値になることがある。グランプリシリーズに出場しない選手の場合はあまり信頼性のない数字と思っていただきたい。
☆ かけ離れた数値の例
Melanie SWANG(THA)の11FC FSのプロトコルは次の通り。
1 1.10 1A
2 5.20 2Lz+2Lo+2Lo<
3 3.00 CSSp4
4 1.80 2F
5 1.80 2Lo
6 2.10 2Lz
7 3.10 2F+2Lo<
8 2.00 CCoSp1
9 0.00 ChSp
10 3.08x 2Lz<+2Lo<
11 2.30 SlSt2
12 2.00 FCCoSp1
これを上記の手順で推算予定基礎点に換算すると、
1 3.30 2A
2 9.60 3Lz+2Lo+2Lo
3 3.00 CSSp4
4 5.30 3F
5 5.10 3Lo
6 6.00 3Lz
7 7.10 3F+2Lo
8 3.50 CCoSp4
9 2.00 ChSp1
10 8.58 3Lz+2Lo
11 3.30 SlSt3
12 3.50 FCCoSp4
となり、合計60.28という非常に高い点になる。しかし元のプロトコルをよく見ると、3回転は一度も跳べていず、アクセルもシングルになっていることと、2Lzが3つ組み込まれていることから分かる通り、単発ジャンプも、コンビネーションのファーストジャンプも元々2回転を予定していた可能性が高い。 もちろん、予定基礎点もずっと低くなる。
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