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2012世界選手権男子プロトコル分析:パトリック・チャンvs羽生弓弦(SP:TES)
Patrick CHAN(CAN)
1. 9.44 (10.30 / -0.86) 4T
2. 9.79 ( 8.50 / 1.29) 3A
3. 4.00 ( 3.00 / 1.00) CCoSp3
4. 11.30 (10.10 / 1.20) 3Lz+3T
5. 3.93 ( 3.00 / 0.93) FSSp4
6. 3.91 ( 3.20 / 0.71) CCSp4
7. 3.87 ( 3.30 / 0.57) SlSt3
計. 46.24 (41.40 / 4.84) TES
0 Ded
89.41 TSS
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Yuzuru HANYU(JPN)
1. 12.31 (11.60 / 0.71) 4T+2T
2. 9.64 ( 8.50 / 1.14) 3A
3. 3.84 ( 3.20 / 0.64) FCSp4
4. 0.30 ( 0.60 / -0.30) 1Lz
5. 4.16 ( 3.30 / 0.86) SlSt3
6. 4.07 ( 3.00 / 1.07) CSSp4
7. 4.36 ( 3.50 / 0.86) CCoSp4
計. 38.68 (33.70 / 4.98) TES
38.39 PCS
0 Ded
77.07 TSS
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要素毎に比較していく
まずジャンプ
(数字は、左3つはパトチャンが勝っている場合の得点(VB / GOE)の差
右3つは結弦くんが勝っている場合の得点(VB / GOE)の差
そして、パトチャンの要素 結弦くんの要素 )
_____ (_____ / 0.49) 1.01 ( 1.50 / _____) 3Lz+3T 4T+2T
0.15 ( 0.00 / 0.15) _____ ( 0.00 / _____) 3A 3A
9.14 ( 9.70 / _____) _____ (_____ / 0.56) 4T 1Lz
コンビネーションはGOEでパトチャン、基礎点で結弦くんが上だが、この基礎点の比較はあまり意味が無い。ファーストジャンプがパトチャンが3Lzなのに対して結弦くんが4Tなので基礎点がずっと高くなるが、その2つはステップからのジャンプでは逆になることになるので、両方合わせれば基礎点の差はなくなるのだ。従って、実質的にはここではセカンドの3Tと2Tの差が基礎点の差になり、パトチャンの+2.80ということになる。
3Aはパトチャンが基礎点でわずかに上回った。
ステップからのジャンプはパトチャンの4Tを3Lzとして較べることになる。それでも、基礎点の差は結弦くんが1Lzになってしまったので、パトチャンの+5.4、GOEはパトチャンがマイナスになったので結弦くんの+0.56になっているが、基礎点の差に較べればほんの僅かだ。とにかく、SPでは男女とも3回転以上のジャンプが2回転以下になるのは非常に大きな減点になる。
その結果ジャンプ全体では、
8.28 ( 8.20 / 0.08) _____ (_____ / _____) Jump
というように大きな差になったが、そのほとんどは、3Lz - 1Lzの基礎点の差5.40と3T - 2Tの基礎点の差2.80だった。
スピンは、
_____ ( 0.20 / _____) 0.16 (_____ / 0.36) CCSp4 CSSp4
0.09 (_____ / 0.29) _____ ( 0.20 / _____) FSSp4 FCSp4
_____ (_____ / 0.14) 0.36 ( 0.50 / _____) CCoSp3 CCoSp4
単一姿勢スピンとフライングスピンの選択が逆になったが、まとめれば予定基礎点は同じ。ただしパトチャンがコンビネーションスピンでレベルを取りこぼしたので基礎点では結弦くんが上回った。GOEは要素によって出入りはあるがまとめるの非常に僅差になった。
結局スピンは
_____ (_____ / 0.07) 0.43 ( 0.50 / _____) Spin
ほぼ、パトチャンが1つレベルを取りこぼした分だけ、結弦くんが勝った。
ステップは、
_____ ( 0.00 / _____) 0.29 ( 0.00 / 0.29) SlSt3 SlSt3
両者レベル3で、GOEは結弦くんが勝った。
結局今回の2人のSP・TESの差は、パトチャンの4TのGOEがマイナスになったこともあって、セカンドの3Tと2Tの差と、あとは3Lz→1Lzだけということになった。ルッツの方はもちろん成功することもあるので、あとは精度を上げるだけ。セカンド3Tもグランプリシリーズではパトチャン同様のジャンプ構成だったので、今回も本来は4T+3T狙いだったと推察されるので、それに成功すれば、SP・TESではパトチャンに十分迫れるレベルに達しているだろう。
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